川崎フロンターレ 新旧交代と東京五輪

ワルンタ01スポーツ

動きが活発な12月

J1リーグの最終戦が12月1日でしたので暫くは静かな時期を過ごせるかとも思いましたが、今年のフロンターレはそんなことを許してくれません。優勝パレードに始まりJリーグアウォーズ、入団/退団発表と毎日大忙しです。

Jリーグアウォーズ

家長選手がMVPに選ばれました。これだけ実力のある選手に優勝とMVPはとても似合います。最優秀ゴールは大島選手のあれです。

また、フロンターレからベストイレブンに7名が選ばれました。

  • GK チョンソンリョン
  • DF 車屋紳太郎、谷口彰悟、エウシーニョ
  • MF 中村憲剛、家長昭博、大島僚太

これは1チームから選ばれた選手の数で最多タイの記録です。過去には1994年のヴェルディ川崎と2002年のジュビロ磐田が記録しています。そのときのメンバーを並べてみるとそうそうたる顔ぶれです。当時を知っている身としては、これらのチームとフロンターレが肩を並べられることに感無量です。

1994年 ヴェルディ川崎から7名
GK 菊池新吉
DF ペレイラ
MF 柱谷哲二、北沢豪、ラモス瑠偉、ビスマルク
FW 武田修宏
2002年(ジュビロ磐田から7名)
DF 鈴木秀人、田中誠
MF 福西崇史、藤田俊哉、名波浩
FW 高原直泰、中山雅史

退団選手の発表

チームの新陳代謝上やむを得ないことですが、退団する選手の多くはベテラン選手です。どの選手にも良い思い出がありますが、次のステージでの活躍を願っています。

  • エウシーニョ(DF、29才、移籍先未定)
  • 武岡優斗(DF、32才、未定)
  • 田坂祐介(MF、33才、未定)
  • 森谷賢太郎(MF、30才、未定)

これからもう少し出てくるのでしょうね。

入団選手の発表

将来性を買われた18才の原田選手以外の3選手は即戦力候補と思われているでしょう。しかしフロンターレのサッカーにすぐにフィットするとは思えませんので、2019シーズンの後半までに試合に出てくれれば良いぐらいの長い目で見ていきます。でもブラジル人選手はすぐ活躍してもらわないといけないかな。

  • 原田虹輝(MF、18才、昌平高校)
  • レアンドロ ダミアン(FW、29才、ブラジルのSCインテルナシオナル)
  • 山村和也(MF、29才、セレッソ大阪)
  • 馬渡和彰(DF、27才、サンフレッチェ広島)

入団2年目の選手達に期待

すぐにフィットすることが難しいと言われるフロンターレのサッカーですが、2年目に入る選手達はそんなことは言ってられません。斉藤選手、赤崎選手、下田選手、鈴木選手、脇坂選手がどれだけレギュラー陣を脅かすことができるか楽しみです。一人足りないって?守田選手は別格です。2年目となる2019シーズンは彼らの今後のサッカー人生にも大きな節目になる年だと思います。

特に中堅からベテランの域に入りつつある斉藤選手に期待します。家長選手がJリーグアウォーズ後のインタビューで言っていました。「日本を代表する選手がいる中に自分が挑戦したいと思って飛び込んだ」。斉藤選手も同じ気持ちで入団してきたはずです。2018シーズンは怪我の影響で出遅れチームにフィットできずにシーズンを終えました。シーズン前のキャンプからフルで活動できるのは大きいと思います。MVPを取るぐらいの意気込みでやって欲しいです。

心配なのが赤崎選手と脇坂選手の二人。まだ鬼木監督の信頼を獲得できていないのか、大事な場面で使ってもらう機会はありませんでした。一層競争が厳しくなってきた攻撃的なポジションですが、最後のチャンスと思って頑張って欲しいです。

新旧交代と東京オリンピック

1,2年は上位争いできる戦力はあると前回のブログで言いましたが、その後に向けて新旧交代は避けて通れません。現在のレギュラーメンバーの年齢バランスを見ると、全体のバランスは良いと思いますが攻撃陣の高年齢化が気になります。タイトルを目指す為にはベテラン選手を使わざるを得ませんが、それと平行してどのように若手選手を育成していくのかが重要な課題です。

若手が多いメンバーリスト

メンバーリストを眺めていて若手選手が多いことに気づきました。2018年12月20日時点で公式に発表されている入団/退団選手を考慮すると所属(内定)選手数は35名になります(三好選手、板倉選手、三笘選手、旗手選手を含む)。そのうち8名が1997年以降の生まれ。彼らは21才以下です。こんなに若い選手が多いチーム編成はちょっと記憶にありません。21才以下の選手のリストです。

  • 三好康児
  • 板倉滉
  • 三笘薫
  • 旗手怜央
  • タビナスジェファーソン
  • 田中碧
  • 原田虹輝
  • 宮代大聖

東京オリンピック候補U-23日本代表チームに選ばれたことのある選手が4人。東京オリンピックへの秘密兵器と言われていたタビナス選手。既にJ1リーグで得点し90分フル出場の経験もある田中選手、次世代ボランチの期待の高い原田選手、U-19日本代表に選ばれ続けている宮代選手。将来のフロンターレを背負って欲しい選手達です。

若手選手の獲得と育成

強豪チームになりタイトルを取ることが当然のように見られているフロンターレは、若手選手の獲得と育成にジレンマを抱えています。

  • 優秀な選手を獲得したい
  • 試合でプレーする機会はほとんど与えられない
  • 東京オリンピックの候補には試合でプレーする機会を与えなければならない

このジレンマを3つの方法で解決しようとしています。

戻ることを前提とした期限付き移籍

これまで若手選手は手元に置いてじっくり育てることが多かったフロンターレでした。数年かけても試合に出場するほどに成長しない場合には、まずは期限付き移籍で他チームでプレーし、その後ほとんど戻ることなく完全移籍していきました。期限付き移籍は戻ることを想定していない移籍でした。

2018シーズンから期限付き移籍をポジティブに使うようになりました。2018シーズンに移籍した三好選手と板倉選手には、フロンターレとの試合には出場できない出場制限条項が付きました。この2人はいずれフロンターレに戻す前提である証拠です。

フロンターレは手元で育てられない選手を他のチームに育ててもらおうとしているわけです。調子のいい話ですが両チームにメリットのある話なので移籍先も受け入れてくれたのです。

ただ、三好選手については、このシーズンオフに札幌から完全移籍のオファーがあったと報道されています。これを拒絶した結果、札幌は三好選手を1年で手放すことにしました。競争相手のチームの選手を育ててあげるのもばからしいと札幌も気づいたのでしょう。何しろリーグ4位の強豪チームです。J1チーム間の期限付き移籍の難しさを感じました。

板倉選手についてはまだ2019シーズンの話は聞こえてきていません。板倉選手はCBの選手層が薄いフロンターレに戻ってくる選択肢もあると思いますが、ベガルタ仙台とフロンターレがどのように考えるのでしょうか。

いずれにせよこの2選手は最も試合に出られる選択をするのが良いと思います。

下部組織のように大学チームを使う青田買い

2018シーズン中に2年後の入団契約をしたことには驚いた人も多かったでしょう。私もその一人です。フロンターレは2020年3月に大学卒業予定の筑波大学の三笘選手と順天堂大学の旗手選手の入団契約をしました。

その背景はNumberWebの記事(外部リンク 川崎が獲得した2人の大学3年生。 伊藤宏樹スカウトが語る「逆算」。 )で説明されています。この記事はスポーツジャーナリストの二宮寿朗さんがフロンターレの伊藤宏樹スカウトにインタビューしたものです。

記事を私なりに解釈すると、「大学をフロンターレの下部組織として使ってしまえ」ということです。優秀な2選手を獲得したい。ただ、彼らの最終学年を無駄に過ごさせないために3年生のうちに契約してしまい、4年時にはプロになる為に過ごしてもらうというものです。当然、それぞれの良い点を伸ばし、弱点を補うようなアドバイスはしているでしょうし、毎日のトレーニング内容にも口を出していると思います。

2人にそれだけの将来性があるためですが、青田買いと大学の下部組織化とはうまいこと考えたものだと思います。

手元で育成

他チームで育ててもらう選手が2名、大学で育ててもらう選手が2名となり、8名いた若手選手も手元に残っているのは4名となりました。この人数なら手元でも育てていけると考えているのでしょう。

既にJ1リーグ戦に出場するなど頭角を現してきた田中選手。それに刺激を受けているに違いないタビナス選手。下部組織出身でずっとトップチームを見てきた宮代選手。この3人はある程度フロンターレにも慣れているはずです。そうなると全くの新人は原田選手だけとなります。中村選手と大島選手の個人レッスンを受けていい選手になって欲しいです。

若手の育成の新機軸

フロンターレはこれまでにはない形で若手の育成を進めているようです。東京オリンピックを目標に準備をさせながらもその後はフロンターレの主軸として活躍することを意識させています。サポーターとしては手元で見られない選手がいることに残念な部分もありますが、いずれフロンターレを背負ってくれると思って待ちたいと思います。

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