J1-33節 横浜Fマリノス戦 どきどきする試合は見ていて楽しい

ワルンタ01J1リーグ
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試合情報

2019年 J1リーグ 第33節

2019年11月30日 14:00KO
等々力陸上競技場
川崎フロンターレ vs 横浜Fマリノス

試合結果

川崎フロンターレ 1-4 横浜Fマリノス
得点者
仲川(8分、横浜)
エリキ(49分、横浜)
エリキ(69分、横浜)
ダミアン(74分、川崎)
遠藤(89分、横浜)

フロンターレ先発メンバー

1列目 小林
2列目 阿部 脇坂 家長
3列目 大島 田中
4列目 車屋 谷口 山村 守田
GK ソンリョン

フロンターレ交代選手

長谷川 in、脇坂 out(54分)
ダミアン in、阿部 out(61分)
知念 in、小林 out(79分)

こういう試合を見たかった

失点後の前半はレベルの高いプレーを見せてくれた

前半8分の失点でまたかという印象を受けましたが、その後のフロンターレ選手達のプレーはとても質の高いものだったと思います。前半の20分あたりからは、しっかりとボールを保持することもできていましたし、攻撃にいつもよりスピード感がありました。

相手のプレッシャーが厳しいため早めにボールを放さなければならなかったこともあったと思いますが、それよりもマリノスのプレー内容が良かった為、フロンターレ選手が刺激されたのではないかと思います。さすがにいつものだらだらしたプレーではダメだと気づいたのだと思います。

特に大島選手、田中選手のレベルの高さを再確認した試合でした。Jリーグではこの試合のようにプレスの厳しい状況でプレーする機会はほとんどなく、フロンターレの選手も100%の力を発揮できず消化不良のように見える試合がほとんどでした。この試合では厳しいプレスの下でも高いレベルでプレーできることを示してくれたと思います。

この試合は大差で敗れましたが、選手達にも刺激になったでしょうし、特に1失点以降3失点までプレーそのものはとても良かったと思います。3点差となると普通の試合ではなくなりますので、その後のプレー内容は特にコメントはありません。

横浜Fマリノスの素晴らしさ

横浜が素晴らしかった点はいくつもありますが、ポジションの取り方や戦術的な面はそれぞれのチームの個性なので、優劣はつける必要はないと思います。もちろんこれらの要素が大きく勝敗を決することもありますが、それは今後いくらでも対策を打つことができます。

それよりも基本的な面で明らかにフロンターレより素晴らしかったと思うことが2点ありました。

まずは、最終ラインの統率です。これは相当トレーニングされていると思いました。とにかくラインが高い位置にあります。スピードのある選手が最終ラインにいることと、GKが積極的に最終ラインの裏をケアすることも含めて、勇気を持って高い位置まで押し上げます。また、CKやFKなどセットプレーからの流れのプレー時にラインを上げる速さには驚きました。

続いては、切り替えの早さです。これは2017年にはフロンターレ優勝の一因と言われていたものですが、すっかり横浜に取って代わられた感があります。前線の選手がサボることなく、プレスをかけ続ける。そしてボールを奪えば全速力でゴール前になだれ込んでくる。「攻から守」も「守から攻」も切り替えはとても早かったです。

春先からよく走っていた横浜が夏場にバテるのではないかと予想していましたが、そんなことは全くなく今でもチーム平均総走行距離の1位にいる横浜の選手達は素晴らしいと思います。

ちなみに33節を終えてチーム平均総走行距離の下位は以下の通りです。走らないでも上位にいるのは鹿島、東京と川崎です。フロンターレがこのスタイルを続けるのか、来シーズンどんな数値になるのか注目です。

13位 名古屋グランパス
14位 浦和レッズ
15位 鹿島アントラーズ
16位 FC東京
17位 川崎フロンターレ
18位 ヴィッセル神戸

選手達が覚醒したか

戦わずして試合を終える今シーズンの試合内容

このブログを読んでくださっている方はお気づきだと思いますが、私はスピード感のないフロンターレの試合運びには否定的です。ボールを奪うと、とにかくボールの保持を最優先に考え、相手のプレスをかわし、相手からプレスの意図を失わせ、自陣に引き下がるまで攻撃をしない。こんな試合運びがここ数年フロンターレの特色になってしまっています。

局面での戦いを避け、もっというと、1対1の戦いをできる限り避けて、パスを交換することで相手を崩すことに固執しているように見えます。結果として引いた相手を崩すことができず、得点も減り勝利も遠のくことになっています。

攻守において基本になるのは1対1での攻防です。その戦いに勝てなければ得点も出来ませんし、簡単に失点もしてしまいます。横浜の選手達は1対1の戦いに積極的に挑んできました。この横浜戦で選手達が刺激を受けて、それぞれの局面で自ら打開する事の大切さに目覚めてくれたのではないかと思いました。個人の力を発揮するようなプレー選択がいつもより目立っていたと思います。

技術の向上は必要だが衰えてはいない

何事も上手くいかなくなると「昔は良かった」と懐かしく思うことはどんな世界にも良くあることです。「止める・蹴る・(矢印を)はずす」の技術が衰えたと嘆くのは簡単です。

この試合ではあまり良いプレーを見せられませんでしたが、脇坂選手のトラップはとても上手です。田中選手がボールを受けて前を向く技術もさすがと唸らされます。この試合でも山村選手や田中選手、大島選手は相手の矢印(プレス)を上手くかわすプレーを見せてくれました。

もちろん技術の向上は常に必要ですが、技術が衰えたから勝てなくなったと総括することには同意できませんし、「止める・蹴る・矢印をはずす」に立ち戻ってトレーニングすれば上手くいくわけではないと思います。

更なるレベルアップのためには「ゴールから逆算しろ」

いわゆる風間前監督の風間語録には強く印象に残るものが多いですが、その中でも今のフロンターレに欠けていて、かつ、それを実践することでチームが変わると思われる言葉があります。

「ゴールから逆算しろ」

当たり前のことですが、何のためにプレーをしているのか。それはゴールをあげるためです。相手陣までボールを運んでもゴールへの道筋が見えていないボール回しが多いと感じています。特にサイド深いところまで押し込んだときのアイデア不足は顕著です。パス回しからは得点できるような気配を感じることはほとんどありません。

この試合の唯一の得点シーンは長谷川選手が自ら突破してセンタリングをあげたシーンです。これは長谷川選手の「個人技」で相手をかわしてセンタリングをあげたものですが、高く深いセンタリングがダミアン選手の意図と合っていました。

前半32分のシーンも点を取る目的がはっきりしたプレーでした。左サイドから大きく守田選手までサイドチェンジを行い、守田選手がゴール前に斜めに走り込んできた小林選手にアーリークロスをあげたシーンです。小林選手のヘディングシュートは外れましたが、ゴールまでの道筋が明確なプレーだったと思います。

実際に横浜の得点シーンはほとんどがゴールまでの道筋が見えていました。横浜の1〜3点目まで、攻撃開始の時点からやられそうだなと感じるものでした。センタリングやスルーパスの質と走り込む選手の質が見事でした。ゴールへの道筋がはっきりとしていて、それが上手く実践された見本となるようなプレーだったと思います。

高い技術を動きのなかで発揮できるように

技術は衰えていないと書きましたが、もちろん更なる技術の向上も必要です。基本的な技術の高いフロンターレの選手達が、その技術を発揮する場面がほとんど止まった状態か、ゆっくりとした動きの中でしかないことには物足りなさを感じます。

トップスピードで走っている時にボールを受けてきちんと止められるのか、早いドリブルをしながらも正確なパスを出せるのか、ボールを持っている選手が動いている状態でも周りの選手がボールを受けられる的確なポジションをとれるのか。動いている状態でも高い技術を発揮できるようなレベルアップが重要です。

奮闘する選手達

家長昭博

右ポジションを空けて自由に動き回るフリーマン家長選手は諸刃の剣ですが、突破を試みようとするドリブルやボールを引き出そうとする全速力のフリーランニングなど、この試合ではその力強さを示してくれました。何度も言っていますが、家長選手のストロングポイントはサイドの突破です。そういうプレーをしてもらえるようなチームの工夫が必要です。ご家族連れで入場していましたが、これがホーム最終戦にならないように祈ります。

大島僚太

ボールを持って7秒間なにも動かなかった第32節浦和戦のようなプレーも披露してくれる大島選手。この試合ではそんな余裕を与えてくれない状況でも実力の高さを示していました。ただ、こういう機会が少ないのか慌ててミスをしてしまう場面もあり、まだまだ100%の力を発揮している状態ではないと思います。EAFF E-1サッカー選手権の相手は中盤で余裕は与えてくれないと思いますが、どんなプレーを見せてくれるのでしょう。

田中碧

こちらもEAFF E-1サッカー選手権の日本代表にも選出された田中選手。体の線も太くなりプレーに力強さが増しています。こうなると海外移籍を本当に心配しないといけないかもしれません。海外移籍を焦らずに中村選手の話を良く聞いてね。

車屋紳太郎

仲川選手とのマッチアップはやられたりやり返したり迫力満点でした。攻撃面でもいつもより積極的でここ数試合の好調を維持しているとともに、何か吹っ切れて次のレベルにいけそうな気配がしてきます。ただ最初の失点でうまくクリアできていれば良かったのですが。

次の試合

J1-第34節
12月7日(土)14:00 
札幌ドーム
コンサドーレ札幌
横浜戦で刺激を受けたと思われる選手達が札幌戦でどんなプレーを見せてくれるのか大変楽しみです。特に「奮闘する選手達」であげた選手達には注目です。

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