フロンターレ 鬼木監督に続投要請の報道

サッカー戦略その他のフロンターレ
スポンサーリンク

監督続投要請の報道

監督続投要請

一部のメディアでフロンターレが鬼木監督に監督続投の要請をしたとの報道がありました。何かの大会で良い成績を上げたタイミングでこういう話が漏れてくることは良くあることです。いかにもその成績をあげたことに対するご褒美のように出てくるこのような情報には一定の距離を取って接する必要があると私は考えています。とはいえ煙の無いところに火は立ちません。ある程度続投の方針はでているのでしょう。

言うまでもありませんが、監督職は結果に対するご褒美ではありません。この時期チームの強化部が考えなければいけないことは、来シーズンのチームをよりよい方向に導くことができる監督を見つけることです。それが現在の監督の続投の場合もありますし、新しい監督を探してくることもあります。

FC東京は長谷川健太監督の続投を10月24日に正式に発表しています。また、セレッソ大阪はロティーナ監督に続投を固めたとの報道が10月28日にありました。各チームとも来シーズンに向けたチーム作りの作業は既に始まっていて、そろそろ結論を出す時期にあると思います。

フロンターレもルヴァンカップの優勝実績だけをもって鬼木監督に続投を決めているわけではないと思います。今シーズンを振り返り、チームが良い方向に進んでいて、来シーズンも更に良い方向に導いていけると判断しているからに違いありません。

監督評価を考える上での要素

一般的に監督を評価する場合にその要素にはどのようなものがあるでしょう。思いつくことを並べてみました。

  • これまで良い結果をもたらしたか
  • チームが目指すサッカーを実現できているか
  • 選手が納得しているか
  • サポーターが納得しているか
  • 来シーズンに向けて希望が見えているか

これら以外にもあると思いますが、それぞれについて考えてみたいと思います。

今シーズンと3年間の結果について

J1リーグ戦はまだ5試合残している状況ですが、今シーズンを振り返ります。シーズン前に掲げた大きな目標は、J1リーグ3連覇と4冠獲得でした。どちらも簡単な目標ではありませんし、「未達成」イコール「監督退任」ではないと思います。

ACLと天皇杯の結果については、目標ラインを下回っていると思います。ACLでは鬼木監督が指揮している3年間で、中国・韓国のチームに勝利したのは、6試合中2017シーズンの水原三星の1試合だけです。日本のチャンピオンチームとして出場した2018、2019シーズンはいずれもグループリーグ敗退であり及第点はつけられません。

天皇杯も同様です。2017、2018シーズンのベスト8止まりが最高で、今シーズンはベスト16で終えてしまいました。結果もそうですが、内容も力の差があるチームに延長戦やPK戦まで持ち込まれる試合もあり、この3年間で評価できるような結果は上げられていません。

それに比べるとルヴァンカップでは良い結果を上げています。2017シーズンは決勝戦まで進出しC大阪に敗れて準優勝。2018シーズンはプライムステージ初戦で鹿島に敗退。そして2019シーズンは優勝です。3年間で決勝戦に2度進出し優勝1回は素晴らしい結果だと思います。

J1リーグでは、2019シーズンを何位で終えるのかは気になるところですが、2連覇を達成していますので、3年間で見れば素晴らしい結果と思います。

いずれにせよ、3年間で獲得タイトル数が3個となり、鬼木監督は間違いなく素晴らしいチームを作りあげて、結果につなげてきたと思います。

チームが目指す方向に合致しているか

フロンターレが攻撃的なチームを目指していることはチーム、選手、サポーターとも同じように認識していると思います。攻撃的なチームの定義が難しいですが、少なくともチームとしては、攻撃面で1試合あたり複数得点を目標にする公言していますので、それがひとつの指標になると思います。

残念ながらこの目標には届きそうもありません。J1リーグ29試合を終えて48得点。1試合あたり1.66得点で、得点数はJ1リーグで4位となっています。この先頑張っても複数得点には届きそうにはありませんし、2018シーズンの57得点にも届くのが精一杯でしょう。

守備についても1試合あたり1失点未満を目標に掲げています。今シーズンはここまでJ1リーグ全29試合での失点は28点でぎりぎり1失点未満を維持していますが、既に昨シーズンの総失点27点を上回ってしまっています。。今後の結果次第で1試合あたり1失点以上になることも考えられ、目標の達成は安心できるような状態にはありません。

数字だけ見ると、攻撃力も守備力も2018シーズンより低下傾向にあることが分かります。数字だけで考えると本質を見失う可能性がありますが、実際の試合を見ても攻撃面では2018シーズンからの上積みがあったようには感じませんし、守備面についても特に悪い時間帯での失点が目立ち、印象は悪いです。

選手・サポーターが納得するか

選手と監督の間が上手くいっているか否かはとても大きな問題です。これまでも選手と監督間の信頼が崩れていると判断され、シーズン途中で解任された監督もいました。しかし、鬼木監督に関する限り選手との関係が上手くいっていないという評判は聞いたことがありません。

これだけ実績のある選手を集めた為に、各選手の出場機会が限られています。選手から不満の声が出てきてもおかしくありません。しかし、今シーズンそのような話はありませんでしたし、ルヴァンカップの優勝後の様子を見ても選手・監督・関係者全員が良い関係でいるように見えました。この点は長老中村憲剛選手やベテラン小林悠選手がいろんな面で気配りをしていることが大きいのだと思います。監督と選手の関係についてはとても良いと思います。

サポーターの続投への反応は賛否両論があるように思われます。鬼木監督の続投要請の報道がでて以来SNS上でいろんな意見が見られます。監督の処遇はサポーターの最大の関心事と言っても良く、シーズン後半にはざわざわしてくるものです。

J1リーグ戦での結果が期待に届いていないこともあり、続投に反対の意見がでることも自然だと思います。しかし、その結果サポーターが社長を取り囲むようなことは起きておらず、多くのサポーターは鬼木監督の続投要請を支持を得ているように見えます。

来シーズンに向けて希望が見えるか

私はこの点が最も大切に思います。これまで良い成績を上げていても来シーズンに更に良くなることが期待できなければ、監督を続投させることに賛成はできません。これは最初に述べたように、監督業はご褒美ではなく、その時点以降のチーム力を上げることが仕事だからです。

鬼木監督は2019シーズンに攻撃面でも守備面でも上積みが見られなかったと述べましたが、私が鬼木監督が素晴らしいと感じていることは若手を積極的に使ったことです。ベテラン選手がキーポジションに君臨しているなかで、田中選手、脇坂選手を起用し続けたことはいずれ世代交代をしなければならないチーム事情を理解し、我慢して使っていたと思います。その結果両選手とも主力としてチームを担うことが期待できるようになってきました。

強化部が評価したこと

強化部は世代交代をうまく始めた手腕を高く評価したのではないでしょうか。世代交代は今シーズンで終わる訳ではなく、来シーズンも更に進める必要があります。世代交代を進める上でベテラン選手達の出場機会は減ってきますし、ベテラン選手達の扱いには細心の注意が必要になります。その点鬼木監督はベテラン選手からの信頼も高く、世代交代をうまく進めることができると考えたのではないかと思います。

いずれ現在は期限付き移籍で他チームで戦っている期待の大きい選手が戻ってくること、また、若くて有能な選手達が来シーズン入団してくることから、若手へのシフトはどんどん進むでしょう。そのような状況下での鬼木監督は手腕は期待して良いように感じます。

とは言え、世代交代を進めていく上で成績が落ちてはいけません。世代交代と好成績の維持という難しい目標を鬼木監督がどのように達成するのか見守りたいと思います。

内部昇格の監督(おまけ)

内部昇格の監督のその後

一般的に監督が退任したり、監督を解任したりすると、その後チームと監督の間の関係が薄れます。それは監督を辞める理由として、成績が期待に添わない場合が多いからだと思います。時折、監督を退任してチームの強化担当やGMに就任したりする場合も見られますが、多くは、「成績不振で退任したのに、、、、」と批判に晒されるようです。

フロンターレでも該当する例があります。相馬直樹監督です。相馬監督は就任後1シーズンと1ヶ月ほど経過した2012年4月に成績不振で解任されました。その判断自体に何ら異議を挟むつもりはありませんが、晩年に弱小のフロンターレに移籍してプレーしてくれた元日本代表のサイドバックであった相馬さん。引退後はフロンターレの応援番組でMCまで務め(現在の中西哲生さんよりも露出度は高かった)、その後FC町田ゼルビアで指導者としてのキャリアを始めたばかりの相馬さんを、監督経験1年でフロンターレに迎えたのでした。

引退後もフロンターレファミリーとして活動していた功労者の相馬さんが、監督をしていた期間の成績が不振だったとはいえ、解任後にフロンターレとの関係が断絶されてしまったことが残念です。プロの世界は厳しいとは言え、成績不振でチームを去らなければならなかった選手や監督などの関係者が、その後もフロンターレファミリーとして良い関係を継続できればと思います。

最近の例ですと、ジュビロ磐田と名波浩さんの関係がそれにあたります。磐田の最大の功労者といえる名波さんが成績不振で辞任した後に、磐田との関係がどのようになるのかとても興味があります。

鬼木監督がいずれ監督を去るときが来ると思います。そのとき勇退となるのか、解任となるのか分かりませんが、フロンターレと鬼木達さんとの関係が上手く続けられるようなこともチームとしては考えて欲しいと思います。

コメント