フロンターレ シーズン終盤を迎えて

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シーズン終盤を迎えて

動き出しているはずの強化部

2016年秋、当時の風間監督が2016シーズン終了後に退任するとの情報が漏れてきたのが10月12日でした。このときはフロンターレの契約延長の依頼を風間監督が断ったように報道され、実際にもそうだったのだろうと思います。

現監督に来シーズンも指揮を執らせるにしても、新監督を招聘するにしても、9月も下旬に入り強化部は来シーズンの構想を練り、必要なアクションを取り始めていることと思います。

奇しくも世間では名古屋グランパスの風間監督の解任騒動が報じられています。そんな騒動を横目で見ながら我がフロンターレのことを考えてみたいと思います。

シーズン前の目標

4冠達成を目指した今シーズン

今シーズンのフロンターレは4冠という大きな目標を掲げていました。既にACLをグループリーグで敗退し、天皇杯もラウンド16で敗退。J1リーグは首の皮一枚繋がっているとはいえ、シーズン前に掲げた目標を大きく下回ることは事実です。

4冠達成はとてつもなく大変な目標だと思いますし、ある種ファンサービス的な発言だとも思いますので、それを達成できなかったからといって、そのこと自体を不満には思ってはいません。J1連覇のチームを倒そうとして他のチームがフロンターレをこれまで以上に研究して対策を講じている中で最低限の戦いはしていると思います。しかしこのままで来シーズンも大丈夫とは言えないと感じています。

4冠達成のための具体的な対応

シーズン前にフロンターレ強化部として4冠達成のために具体的な目標を掲げました。いつものように2019年1月27日の新体制発表会での庄子強化本部長を振り返ってみたいと思います。

2019年新体制発表会見[コメント全文]| KAWASAKI FRONTALE OFFICIAL WEBSITE
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ここで庄子強化本部長は今シーズンの強化のため以下の3点を念頭に置いてチーム体制を構築したと発言しています。

– 攻撃力を強化する
– 選手層を厚くする
– 将来を見据えた補強の実施する

攻撃力の強化

攻撃力の強化としては1試合あたり複数得点を目標にしていましたので、この点については落第です。2019年9月22日時点で公式戦をすべて含めると39試合で60得点、1試合あたり1.54得点です。複数得点にするには39試合では最低でも78得点が必要なので、18点も足りないことになります。

新体制発表会では1試合あたり2得点以上にする為にFWダミアン選手と攻撃に特徴のある馬渡選手を獲得したと言っています。強化が2人だけでは不十分とも思いますが、前線にはタレントのある選手達が揃っていますので、充分に達成できると考えたのでしょう。怪我のため2018シーズンは良い状態でプレーできなかった斉藤選手もフルで活躍すると考えたのではないでしょうか。

2018シーズンのJ1リーグの結果を見ると34試合で57得点。1試合あたり1.68得点でした。現時点で昨シーズンより1試合あたりの得点数は減っています。これは強化策が不十分だったのか、監督・コーチが期待に応えられていないのか、選手達が力を発揮できなかったのか、充分に分析して来シーズンに向けた策を練っていることと思います。強化部がどのように分析しているのか興味がありますが、その答えは来シーズンの新体制発表会まで待たなければなりません。

選手層の厚いチーム作り

そうそうたる顔ぶれの総勢30名でスタートを切った2019シーズンでした。それに加えてシーズン前から期限付き移籍で5名の選手を他のチームに出していました。日本代表にも選出されるようになった三好選手や板倉選手まで外に出していたぐらいですので、残った30名でも選手層は厚いと判断していたのだと思います。

各ポジションの顔ぶれをみても選手層は厚いと感じます。SBについては獲得した選手達がまだまだ活躍しきれていないと思いますが、それ以外のポジションは実績、実力、可能性とも充分な選手を揃えていると思います。

ただ誤算だったのは怪我人でしょう。奈良選手に始まり大島選手、斉藤選手、ジェジエウ選手と主力として試合に出場しなくてはならない選手達が大きな怪我をしてしまいました。怪我人さえ戻ればと思ったことは何度もありましたが、それを考えると良くやっているのではないでしょうか。中村選手と大島選手が出場しないチームがここまで戦えるとはシーズン前には想像もできませんでした。

選手層を厚くするという強化策には及第点をあげても良いのではないかと思います。

将来を見据えた補強

2019シーズン前の補強だけを見ると、若い選手としては高卒で入団した宮代選手と原田選手、25才のジェジエウ選手ぐらいですが、ここ数年で獲得した若い選手達が良いプレーを続けています。昨年1年目から活躍している24才の守田選手、同じく24才、2年目の脇坂選手、3年目の21才田中選手。高齢化が進んでいる主力選手に分け入って試合に出場して活躍している点は評価して良いと思います。

彼らに加えて三好選手と板倉選手を含めれば将来を見据えた世代交代は上手くいっていると考えていたでしょう。さすがに三好選手と板倉選手がこんなにも早く海外へ移籍してしまうことは誤算だったと思いますが、有能な若手を獲得、育成し、チームの新陳代謝を進めていくことは概ね上手くいっていると思います。

これも及第点をあげたいと思います。

なにが問題なのか

各論では上手くいっているが

ここまで私の考えを述べてきたように、選手層も充分に厚くしてきたと思いますし、世代交代も順調に進めているように思います。ただ、直接的な目標とした攻撃力の向上にはなっていませんし、その結果大きな目標だった4冠達成もできなくなっています。

攻撃力を向上したいというチームの意向は分かりますが、2連覇を達成した大きな要因は攻撃力の向上ではなく守備力の向上だったと思います。守備力向上に貢献した監督・スタッフと攻撃力を向上させたい強化部でチーム作りの方向性は一致しているのでしょうか。その点を強化部は分析して来シーズンの構想を練って欲しいと思います。

選手層を厚くすることが良い点ばかりなのか?2チーム分作れる選手層は本当にチームが良い成績を残すことに繋がるのか?世代交代が進行中のチームは力が落ちてしまうものなのか?新しい選手がフィットするまでに時間がかかるようなチームで良いのか?今シーズンはいろんな事を考えたシーズンでした。

将来を考えるのも楽しみのひとつ

どうすれば良いのか素人があれこれ言うことは控えますが、これまでのフロンターレの強化の経緯を見ていると、歴史が浅く収入などの規模が小さいチームであった段階では、知名度がなく資金も少ないなど高いハードルがありましたが、とても上手くチーム作りをしてきました。しかし、大きな資金を得てビッククラブへの入り口に立っている状態のチームの作り方にはまた違った視点で取り組まないといけないような気もしています。

メルカリやライザップ、サイバーエージェントなど新しい企業がチーム経営に進出してきたり、楽天やトヨタが大きな資金を投入するようになったり、外国からマンチェスターシティーが参入したり、ここ数年で新しい動きが出ています。チーム経営という点でフロンターレは旧態依然としているように見えますが、それでよいのでしょうか。

来シーズンに向けてどんなチーム作りをするのか考えを巡らすことも試合のない週末の楽しみのひとつです。

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